Amy Edmondson さんの The Fearless Organization: Creating Psychological Safety in the Workplace for Learning を聞いた/読んだ。ずっと読みたかったけど積んでいた。これは本当に全人類が読むべき本だと思う。個人的な実感ともかなり合致した内容なので、僕と僕に似た人間にとってこの世界がより快適な場所になるようにみんな読んでほしい。
本の中では、 candour があって fearless な組織はいい事尽くめだということを言っていて too good to be true な感じが若干したが考えてみると「治安が良い地域の欠点を述べよ」と言われるのに近いのかもしれないな、と思った。でもやっぱり経済活動には利益を得るという決して利他的でない目的があるしそれを担う組織にはヒエラルキーがあるので個人にとって痛手となる研究結果があってもおかしくないと思う。例えば fearful な組織だと生産性がめちゃくちゃ上がるが従業員がうつ病になる確率も上がり、そのため企業はうつ病にならないギリギリなラインを攻めていく、みたいな研究結果があっても驚かないが(少なくとも本に出てきた研究の中には)そういう研究結果がないのは救いな気がした。
Most leaders would be well served by stopping to reflect on the purpose that motivates them and makes the organization's work meaningful to the broader community. Having done so, they should ask themselves how often and how vigorously they are conveying this compelling rationale for the work to others. Our primal need to feel purpose and meaning in our lives, including at work, has been demonstrated by numerous studies in psychology. (Kindle版 3885/5718)
この部分を読んで、小林エリコさんがコラムで書いていた文章を思い出した。
仕事というのは、お金を稼ぐだけでなく、社会にコミットするという役割がある。人間というのは、自分に役割や居場所がないと生きていくことができない。それくらい私たちは脆く弱い存在だ。もちろん、仕事がなければ、自助グループや、地位活動支援センター、デイケア、趣味のサークルなど、探せば、居場所はいろいろある。しかし、私はそれだけでは物足りなかった。20代、30代と言えば、社会で言えば、働き盛りの年齢だ。私は働くことによって、社会に帰属したかったのだ。 (「『いつでも死ねる』が希望になることもある。より)
働くことの(金銭的な意義と対を成す)精神的な意義について思うところをいつか整理したいと思っているけど、そのへんについて読んでおきたい本がいくつかあるのでまだ先になりそう。
今回もオーディオブックで聞きつつ書籍の方も読むというのをやった。書籍の方では、Audible にはない About the Author があって、作者がバックミンスター・フラーに手紙を書いたら雇ってくれたというおもしろ情報があった。