城所岩生先生に「国破れて著作権法あり 誰が Winny と日本の未来を葬ったのか」をご恵贈いただいた。Winny 事件はなんとなく名前は聞いたことがある程度だったが、思っていた以上にいろんな要素が詰まった事件だった。Winny をオープンソースで公開していたらどんな結末になっていたんだろう。
内容的は著作権法について重点的に書かれてるけど、法執行機関が抱える問題についても書かれていて僕はこっちについては全く知識がなかったのでかなり勉強になった。
取り調べで言った覚えの無いことを供述調書に書かれるというのは都市伝説的なものなのかと思ってたらよくあることで、しかもどんな取り調べが行われたのかをその後検証できないという。素人の感覚でもあまりに問題に思えたので嘘だろって思ったけどそうらしい。本の中でもいくつか事例が挙げられてるし(障害者郵便制度悪用事件など)、リブラハック事件のブログにもそんなこと書いてあった気がするなあ、と思って見に行ったらやっぱり書いてあった。2019 年から一部事件において被疑者取調べの録音・録画の義務が施行されたけど、対象となる事件はごく一部のみとなってる。取り調べを録音・録画するデメリットを調べてみても説得力あるものは本当に 1 つも出てこない。すぐにでも改善できそうなのに改善が進まない理由は何なのだろう。アメリカなんて YouTube で取り調べとか裁判が見れるのに。まあ州によって取り調べの録画の義務があるかや裁判の録画が可能かは異なるけど。公務で透明性が無い方が良いことってあるんだろうか。
気になった用語
- 罪刑法定主義
- アミカスブリーフ
その他
ちょうど最近 youtube-dl のサイトをホストしてるプロバイダーが似たような状況に陥ってた。上訴するらしいけど。